アレルギー事故を繰り返してはならない

ミスの起きない“仕組みづくり”が不可欠

2013.02.01(Fri)白田 茜

アレルギーに対する誤解を解く

 アレルギーに対する知識がないと、頭ごなしに「ただの偏食」「好き嫌いしてはダメ」「面倒だから関わりたくない」と忌避しかねない。

 アレルギーをやみくもに怖がらず、知識を得て、事故を限りなくゼロに近づけるような努力を重ねることが大事だろう。原因物質が同じでも、人によって症状が異なるので、一人ひとりに添った対応策を考え、実行することが不可欠となる。

 また、意外と知られていないが、アレルギーの対応は食事だけでは不十分であるということだ。特に重篤なアレルギーの場合、接触やくしゃみなどを介して、皮膚や目の粘膜、口などからアレルギー原因物質が入ったら発症してしまうこともある。手を拭くタオルやコップを隔離する、こまめに清掃を行い食事後に歯磨きや手洗いを徹底するといった、環境面での配慮が欠かせない。

 なによりの予防法は、原因物質を知り、避けることである。血液を採取し特定のアレルゲンに対する反応の強さを見る「血液検査」、原因と考えられる食物を数週間除去して様子を見る「除去試験」、皮膚にアレルゲンを直接貼って反応を見る「パッチテスト」、アレルゲンを少しだけたらした針で皮膚の表面を引っ掻く「スクラッチテスト」、そして、アレルゲンを少量飲んで反応を見る「負荷試験(チャレンジテスト)」などの検査方法がある。

 しかし、アレルギーには解明されていないことも多い。食べ物にはアレルギーはないが、食べた後に運動すると強いアレルギー症状が出ることもある。

 また、これまでアレルギーがなかった人でも何かのきっかけで発症してしまうこともある。例えば、小麦粉が含まれている石鹸で顔を洗って、目のかゆみやくしゃみ、顔面が腫れるなどアレルギーと見られる症状が出たという事例がある。これは、毎日洗顔することで原因物質の小麦粉の摂取が皮膚に少量ずつ重なっていった結果、体が小麦粉を「異物」と判定したためアレルギーになってしまうものと考えられる。石鹸でアレルギーが発症した後、小麦粉を食べても発症してしまうこともあるという。

 現在では、アレルギーに対する治療法は、「完全に原因物質を除去するのではなく、少しずつ摂取させて耐性を獲得していく」という考え方が主流になってきている。ただし、アナフィラキシーの症状が出たことがある人には、こうした治療は行われない。原因となるアレルゲンを除去することが最も重要なためだ。

企業のアレルギー対応の難しさ

 給食以外での状況はどうなっているだろうか。

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