アレルギー事故を繰り返してはならない

ミスの起きない“仕組みづくり”が不可欠

2013.02.01(Fri)白田 茜

 国民生活センターに寄せられたアレルギーの相談事例は、2010年には962件だったが、2011年には4517件と急増。2012年11月30日時点では1377件だという。寄せられた相談には、食事以外で発症したケースも多い。「シャンプーにアレルギー原因物質のキウイが入っていた」などだ。もともとアレルギー体質ではなかった人が何かのきっかけで発症することもあり、企業側の対応は難しさを増している。

 外食での表示義務は現在ない。しかし、国民生活センターに寄せられる外食に関する相談件数は増加している。相談の中には、アレルギー以外の相談も含まれているが、「卵不使用と表示されていたが卵アレルギーが出た」など、アレルギーの報告例が目立つという。

 アレルギー表示を自主的に行ったり「低アレルゲンメニュー」を出したりする外食チェーンも増えている。しかし、前回記事「アレルギー表示はいつまで不十分なのか」で書いたように、今のところ、消費者がレストランを利用する際に「店員にアレルゲンが入っていないかどうかを確認する」他にすべがないのが実状だ。

アレルギーと共に生きる

 都内に住む乳アレルギーを持つ子の母は、外食の難しさについてこう語る。

 「乳アレルギーは、牛乳さえ排除すれば大丈夫と考える人が多いのではないか。バター、スキムミルク、コンデンスミルク、ごく微量ながら乳糖にも乳が含まれている。外食ではこれらを完全に除去するのは難しい。不安なときは、事前に店に問い合わせ弁当を自宅から持ちこむようにしている」

 外食を提供する側にも「客の注文などに応じて様々なメニューを手早く調理する中、専用の器具で調理するなどしてコンタミネーションを防止するのは困難」という現実的な意見がある。

 それでも情報提供については工夫の余地があるだろう。その日に提供するメニューで、何の食事にどのアレルゲンが含まれているか、成分の一覧表を作って、誰が見ても一目で分かるようにしておくなどの方法も考えられる。

 ただ、季節や日替わりなど短期間でメニューが変わり、調達先の変更も多い外食にはこういった対応はかなり負担が高いのも事実だ。

 アレルギーを持つ人でも安心して生きられる環境をつくる上では、「原材料をどこまで詳細に伝えることができるか」という情報開示の課題に行き着く。含まれているアレルゲンが分かれば避けることもできるからだ。消費者と事業者が互いに現実的な妥協点を探っていくことが必要になってくるだろう。

 また、給食については、今回の事故に学び、誤食を防ぐための仕組みづくりがどこまで徹底できるかが課題だ。いま一度、学校と保護者で再考することが必要だろう。

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