アレルギー事故を繰り返してはならない

ミスの起きない“仕組みづくり”が不可欠

2013.02.01(Fri)白田 茜

 これは、生徒が何のアレルギーを持ち、どのような対応が必要か、緊急時の対応などを主治医が記入し、学校がきめ細かな配慮を行うためのツールだ。アレルギーを持つ子供の保護者は主治医にこれらの事項を記載してもらい、学校と具体的な注意点を話し合う。そして、学校側は指導表を確認しながら、アレルギーを持つ生徒の日常生活について適切な対応を行うというものだ。もともと、このような指導表は、心臓病などの病気を持ち学校による特別な配慮が必要な児童に使用されていた。

 これまで、子供のアレルギーについては保護者が学校に相談する決まった手段はなく、学校側に配慮を求めるに過ぎず、その対応もまちまちというのが実情だった。

 アレルギーを持つ児童にもこのように一貫した対応を取ろうとしていることは一歩前進と言えるだろう。しかし、今回の事件はこのようなガイドラインが作成された後に起こったものだった。

給食アレルギー事故防止には細かい対応が必要

 アレルギー事故を防ぐためにできることは何だろうか。

 大規模な給食センターで一度に大量に作られることも多い給食では、調理場所や器具を分けてアレルゲンが混入しないようにするコンタミネーション対応をどこまで行っているのか不明だ。しかし、除去食専用の調理場を造るのが最善策となる。

 すでに対応済みの学校もあるかもしれないが、防止策として、調理現場でアレルギーのある児童専用の食器を最初から用意し、他の児童に出す食事と混じらないようにする方法もある。「目から見える」ようにして注意を促すことは有効だろう。

 おかわりで起きてしまった事故に学び、担任だけでなく管理栄養士や副担任など複数で何重にもチェックをする体制にしておけば、より事故を防ぐ可能性が高い。ただし、短い給食の時間に、多くの児童を見ながらどこまでこまやかな対応を取れるかという現実的な問題もある。

 また、アレルギー症状が出た時の対処法を把握しておくことも大事だ。食品が口に残っている場合、吐かせたり、うがいさせたりする。すでに飲みこんでしまい症状が出ている場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬で症状を緩和させる。アナフィラキシーの徴候が出ている場合は、「エピペン」などの薬を自分で注射するという方法がある。徴候を感じたときすぐに注射すると、ショック症状を軽減させるという。

 アレルギーを持つ児童は、あらかじめ薬を常備しておき、学校側が薬の保管先を把握するなど救急時の対応を周知しておくことも大事だろう。また、学校では、職員全員が対処法を共有しておくことが望ましい。

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