アレルギー事故を繰り返してはならない

ミスの起きない“仕組みづくり”が不可欠

2013.02.01(Fri)白田 茜

 アレルギーが乳児に多いのは、成長による耐性がまだ獲得されていないためと考えられている。ただし、魚介類、エビなどの甲殻類、ソバ、ナッツ類、果実などでは耐性を獲得しにくいと言われる。

後を絶たない給食のアレルギー事故

 実際、アレルギー事故はどれくらい発生しているのだろうか。アレルギー事故の統計がないため、実際の発生件数は不明だ。ただし、給食に限って言えば、全国規模での調査結果がある。

 2006年に国立病院機構相模原病院小児科の今井孝成氏が日本小児科学会雑誌で発表した「学校給食において発症した食物アレルギーの全国調査」によると、全国の給食調理場に聞き取り調査を行った結果、2002年度から2003年度の2年間で合わせて637件の給食のアレルギー事故が発生していたことが分かったという。この調査は全国学校栄養士協議会の協力を得て全国の学校栄養士にアンケート調査を行ったものだ。

 2007年に日本学校保険会アレルギー疾患に関する調査研究委員会が発表した「アレルギー疾患に関する調査研究報告書」によると、食物アレルギーをもつ児童数は32万9423名にのぼる。学校のアレルギー対策は急務だが、もともと食物アレルギーを診断されていなかった児童が突然発症したり、アレルギー原因物質が特定されないままでいたりするケースもあるという。予測のつかないことも多く、学校の対策の難しさを物語っている。

 今回の事故を受けて、調布市はアレルギーのある児童のおかわりを「原則禁止」にするという。アレルギーを持つ子の保護者からは懸念の声もある。都内の小学校に入学予定の児童の母からは、「重篤なアレルギーを持つ児童は断られるのではないか」「事故を避けるためにアレ ルギーを持つ児童だけ給食を出されなくなり、一律に弁当を持たせることになるのではないか」という不安の声も上がっている。

学校の防止策はまちまち

 日本学校保健会は、2008年6月に「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を作成している。ガイドラインには、学校と保護者、主治医がコミュニケーションを取る「アレルギー疾患対応の学校生活管理指導表」がある(下図)。

アレルギー疾患対応の学校生活管理指導表(一部)
(出典:「(財)日本学校保健会ポータルサイト」より)
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