兵庫県知事選挙の投票が終わり、議会から全会一致で不信任を突き付けられた斎藤前知事が「再選」されるという、あり得ない結果が出ました。
選挙前も期間中も、あまりにも出鱈目なイメージ操作の横行で、筆者はおよそこの問題に触れたコラムを記す気になれませんでした。
法律も条例も社会規範も無関係、非常に下品な流言飛語がネットにあふれ返っていたからです。
選挙前であれば、丸山達也・島根県知事や、片山善博元総務相・前鳥取県知事のような、ごく当たり前の定見が目に入ってきました。
国立大学(法人)教官が四半世紀を超えた、私のような公務員経験があれば誰でも述べる、ごく当たり前の正論がメディアにも報じられていた。
また、選挙後最も典型的だったのは、文部科学次官を務めた前川喜平氏の「正気が狂気に敗れた」という発言でしょう。
まさに正気と思いました。
しかし、これに対して「上から目線で有権者をバカにしすぎ」といった反応が見られました。
ここで私が率直に感じたのは、1933年のドイツで、ナチスが政権を奪取した際の「民意」と酷似している、という現象面の事実です。
無理が通れば道理が引っ込んでしまいます。