「お嬢さん芸」が生まれる土壌
私もかつて慶大で教壇に立っていましたので、義塾OBOGの同窓組織である各種の「三田会」が、新卒OBOGを含めたビジネスのつながりをサポートしてきた一端を垣間見た経験があります。
また、大学の起業支援プログラムにも、学生と同じ目線で参加したことがありましたが、そこで目にしたのも、率直に言えば、甘やかされ放題の「お坊ちゃん芸」「お嬢さん芸」の林立でした。
そもそも社会規範や法の一の一を知らず、サークル気分の思い付きで「ビジネスコンテスト」経歴をつけてやれ、式のものばかりで辟易させられました。
いま、このケースがそうだと言い切るつもりは全くありません。
しかし、「斎藤夫人」と「merchu社長」には「フランス」と「福沢諭吉」という共通項がある、これは間違いないでしょう。
また、末尾に記すように、典型的な「お嬢さん芸」的自滅を自ら招来しています。
今回の兵庫県知事選は、最大の勝因は誰が見ても「立花孝志」候補による「ネット暴露情報」の拡散にあることは間違いありません。
10月25日の「百条委員会」非公開証人尋問で、片山安孝前副知事が、その必要もないのに口走った、元県民局長(7月に死亡)が公用パソコンに保管していたとされる私的情報に関連する内容を、何者かが密かに録音、持ち出して「立花候補」を通じてリーク、以後は何でもありの罵詈雑言という、何ともはやな「タッグプレー」が斎藤再選の最大要因であるのは間違いありません。
ああいう民主主義破壊に直結する「立候補」には何らかの法的規制がかけられなければ、選挙はデマゴギー喧伝の場に堕落してしまう。
都知事選での「選挙ポスター看板ジャック」といい、これといい、世も末としか言いようがなく、適切な法改正が必要と考えます。
さて、自ら当選することを企図せずに立候補した「立花孝志」候補(私たちの世代にとってタチバナタカシといえば ジャーナリストの立花隆氏 (1940-2021)がまず想起されますが、時代は変わったものです)。
この「立花候補」が(実のところ現在まで真偽不明のままですが)「県民局長不倫説」などを喧伝。
「真相はこれだ!」式の動画などを配信しまくり(一部視聴しましたが、あまりに見るに堪えず、かかわりにもなりたくないので一切の言及を避けています)、こうしたことが契機となり、浮遊票が流れて斎藤氏が再選され、まさかの「斎藤再選」となったのは、紛れもない事実でしょう。
ところが、こうしたことに「merchu社長さん」は我慢できなかったらしい。
以下は、かつて慶應など、良家の子女が学ぶ学校で教えてきた経験からの推測ですが、人生で大きな挫折を経験したことのない良家の子女が少なくない学校で教えていると、なかなか鼻っ柱の強い学生の「自己顕示」に遭遇することがあります。
「ああ、いつものこういうのね」と、私には得心がいってしまいました。
折田さんは、斎藤元彦再選は、不倫暴露ではなくMerchuの「斬新かつ緻密なSNS戦略が勝因」と、自己主張したかったらしい。
そのことがブログの随所から読み取れます。どうか読者諸賢も、2次情報ではなく、実物がここにありますから、ご興味があればぜひご覧になってご確認されるといいと思います。
少なくとも「イメージカラー」を変えたとかは、1ppmも当落とは関係しないでしょう。
111万票を集めたというのですが、その中で「イメージカラー」を投票根拠にした有権者など、まず一人もいないだろうと思います。
ブログには得々と書いていますが(苦笑)、この種のCI統一のお経・ノリトの類はビジネスプレゼンテーションのクリシェ、干からびた常套句に過ぎません。
さて、ブログには冒頭から「提案資料」の表紙とされるパワーポイントが示されています。
著者は「株式会社merchu(メルチュ)代表取締役」とありますから、この「提案」とはビジネス提案にほかならず、間違っても「ボランティア提案」などではないことが一目瞭然です。
こういう、自分の主張に一生懸命なあまり、公法に弱く、平気で不法行為を自白してしまったりするのは、私学に学ぶ学生全般に顕著な傾向として見られます。
「ま、ここでもやらかしているのね」ということになる。
以下、このやや出来の悪すぎる「サークル気分」のウエブページを「採点」する視線で、ブログをチェックしてみましょう。