大迫傑が目指すものと今後の期待感

 大迫は他の日本人選手ほどロサンゼルス五輪を強く意識しているわけではない。その一方で、「強くなりたい」という気持ちは少しも変わっていない。

 今回は優勝した選手に日本勢は2分以上の大差をつけられた。「日本マラソン界が世界との差をどうやって埋めていくのか?」という質問にこう答えている。

「日本長距離界はボトムアップしていると思うんですけど、所属チームだけでなく、国の垣根を超えて、一緒にトレーニングしていくような取り組みをしていくべきでしょう。『日本人トップ』と言っているのではまだまだかなと思います。もっと米国に来てほしい。僕の知識やスキルをみんなに共有できるような機会が今後あればいいなと思っています。他の選手と切磋琢磨しながら一緒に頑張っていきたいです」

 自分だけでなく、若手選手とも高め合い、世界との差を縮めていきたい考えだ。

 なお今後のレースについては、「ペース次第ですけど、次は前の方の集団でレースをして、そこで生き残っていくようなレースができたらいいなと思います。リフレッシュしたうえで、秋口のマラソンに向けて、今度は上位で勝負できるようなかたちで準備していきたいです」と今度は世界トップクラスの選手に果敢に挑んでいくことを視野に入れているようだ。

 今回の東京で新たに5人がロサンゼルス五輪に向けたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の出場権をつかみ、同ファイナリストは大迫を含めて26人になった。

 MGCは2027年10月3日に名古屋で行われ、1位および2位の選手が、ロサンゼルス五輪の日本代表に内定する。その開催前に「MGCファストパス」(2時間3分59秒)を突破した記録最上位の選手1名も日本代表に内定する。

 ファイナリストのなかには「MGCファストパス」を本気で目指している選手が少なくない。今秋の海外レース(シカゴ、ベルリンなど)、来年の大阪、東京で日本人選手がどんなタイムを叩き出すのか。35歳で次のマラソンを迎えることになる大迫に刺激を受けて、日本記録が大きく動く予感が漂ってきた。