中国の原油輸入量のうち、ベネズエラ、イランで約15%を占めるとのデータ
為替市場は有事のドル買いで円安・ドル高に動いた。原油相場が高騰すれば日本の貿易赤字が拡大し、実需の円売りが膨らむとの見方もある。
原油相場の高騰と円安が同時進行すれば日本経済の痛手は大きくなり、ガソリン価格や電気・ガス料金の引き上げをもたらし消費者を直撃する。
今回のイラン攻撃で、中国が受ける影響も大きい。
1月のベネズエラに続きイランも攻撃したことで、CNNは「トランプ米大統領はわずか2カ月足らずで、中国の最も緊密な同盟国2カ国を排除し、その過程で中国の原油供給を脅かしている」と指摘した。
コロンビア大学世界エネルギー政策センターのデータに基づきCNNが算出したところ、両国を合計すると中国の原油輸入量の約15%を占めているという。イラン産原油が巧みに出荷地を隠し、中国に向かっていたことは昨年3月の本コラム「跋扈する『闇の船団』、原油タンカー5隻に1隻の規模に」でも触れた。
【関連記事】
跋扈する「闇の船団」、原油タンカー5隻に1隻の規模に 対ロシア、イラン、経済制裁が増殖させる負の落とし子
米財務省は「闇の船団」を摘発しているものの、モグラ叩きのようにすり抜けるタンカーが現れる。ベネズエラに続き、イランを攻撃したトランプ政権に、エネルギー調達を難しくすることで中国を追い詰めるという裏の狙いがあったことは十分に考えられる。
今回の米国とイスラエル攻撃は改めて「視野にあるリスクはいつ現実になってもおかしくない」ことを市場に示した。金市場に逃避するマネーは再び勢い付き、ニューヨーク先物(中心限月)は一時1トロイオンス5400ドルを超えた。投機による買いで吹き上がった1月末の最高値(5626ドル台)が視野に入ろうとしている。