イランの脅威を徹底的に排除する歴史的機会

 英国の安全保障シンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)のブルク・オズチェリク上級研究員らは2月28日付の分析で、これは単なる軍事施設の破壊に留まらず、イランの「体制転換」を視野に入れた大規模な軍事作戦だと指摘する。

イラン首都テヘランで、最高指導者ハメネイ師の死亡を受け、感情をあらわにする女性=3月1日(写真:West Asia News Agency提供、ロイター=共同)

 分析によると、トランプ氏は限定的な攻撃ではなく、イラン全土の広範な標的を対象とした包括的な作戦を選択した。内部から政権崩壊を促す「賭け」の側面が強いという。イスラエルはイランを「蛇の頭」とみなし、イランの脅威を徹底的に排除する歴史的機会ととらえてきた。

 トランプ氏の対イラン交渉は入念な軍事準備の隠れ蓑だった。イランは「国家の存亡をかけた戦い」と認識しており、湾岸諸国への攻撃、イエメンのシーア派武装組織フーシ派による海上封鎖、イラク国内の親イラン武装組織による米軍基地攻撃など地域への戦火拡大が懸念される。

 米国の海軍力および軍事力の優位性に注目する米ヨークタウン研究所のセス・クロプシー所長は米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿(2月28日付)で「トランプ氏はロシアと中国のパートナーに断固たる行動をとることで抑止力を強化している」と解説する。