初の女性棋士の誕生が期待されたが…
西山白玲も23年6月から24年7月にかけて、プロ公式戦で13勝7敗(0.650)の成績を挙げ、棋士編入試験を受ける要件を満たした。木村一基九段、高橋道雄九段、渡辺和史七段、佐々木大地七段など、タイトル経験者や若手精鋭の棋士に勝った。
西山は「自分の持ち味を生かせるように頑張ります」と語り、棋士編入試験の受験を表明した。
第1局は24年9月に行われ、西山は高橋佑二郎四段に対して得意の振り飛車を用いた。そして終盤で角を捨てる強烈な一手で寄せ切った。
現行の棋士編入試験での合格者は、いずれも第1局に勝った。初の女性棋士の誕生が大いに期待された。
その西山は第2局で山川泰熙四段、第3局で上野裕寿四段に敗れ、第4局で宮嶋健太四段に勝った。
西山は25年1月3日。東京・千駄ヶ谷の鳩森八幡神社に詣でておみくじを引くと、「勝負、時を待てば好機が到来」と書かれていた。「勝っても負けても最後。悔いがないように挑みたい」という心境で大一番に臨んだ。
棋士編入試験の第5局は1月22日、新設された大阪府高槻市の関西将棋会館で行われた。対戦相手は三段リーグで戦った柵木幹太四段。西山は武器とする振り飛車を用いた。中盤で有利になったと思われたが、柵木に終盤で厳しく迫られて勝ち切れなかった。西山は2勝3敗で不合格となった。
西山は終局後の記者会見で、「5人の方々(試験官の棋士)には、それぞれの考えで向き合ってくれたことに感謝します。本局の終盤ではいい手があるかと思っていましたが、見つけられませんでした。編入試験に臨んだこの半年間は充実した期間でした」と語った。記者から再受験について問われると、「今後のことは改めて考えを整理したい」と答えるにとどめた。
試験官の棋士にとって、編入試験はプロ公式戦ではない。西山の勝利を願う世間の声に、複雑な気持ちを抱いたようだ。ただ盤面に向かえば全力を出すのが本分で、いつものように集中して指したという。
昨年6月に行われた日本将棋連盟総会で、女流タイトルの最高峰である白玲を通算5期獲得すれば、フリークラス編入の形でプロ棋士になれることが決議された。現時点で西山は4期、福間は1期、白玲をそれぞ獲得している。今秋に始まる西山の白玲防衛戦に注目したい。