「われらが早苗」=「資産形成に資する」という発想
面白いデータがある。今回の選挙で自民党が獲得した比例での得票数は2103万票と前回選挙(1458万票)を大きく上回った。
都市部の若者やサラリーマンの間では、最近は資産運用を積極的に行う人の割合が着実に増えている。彼らにとって、「われらが早苗」が積極的にお金をマーケットにばらまいてくれることによって株式や不動産がますます上昇するのではないかという、期待感が高まったことが窺えるのだ。
ちなみに資産形成を促すための口座、NISAの口座数は2025年6月末現在で2696万口座。2021年末には903万口座だったものがわずか4年半で3倍に膨らんでいる。
彼女の掲げる政策が危ないと考えるのではなく、自分たちの資産形成に資すると考えたとしても不思議ではない。自分たちも早く富裕層の仲間入りを目指したい、そんな彼らにとって、今回の選挙における意思表明は明確だったのだ。
だが、同様に不動産投資マーケットもさらに吹き上がるのかと言えばその考えはやや早計に思える。不動産投資における金利の上昇は、単に住宅ローン金利の上昇だけに留まる話ではないからだ。
不動産投資の多くは、投資資金を金融機関からの借り入れに頼るため、金利の上昇は投資する不動産に対する期待利回りを上げていかなければならないプレッシャーを受けることになる。
インフレの到来は株式や不動産、金などの実物資産が値上がりするとされるが、不動産の場合は期待利回りの上昇に叶うだけの賃料上昇が期待できる物件でない限り、不動産価格が下がることにつながってしまうのだ。賃料上昇が期待できるエリアを選ぶ眼力が必要となるし、賃料を支払う賃借人の経済状況が積極財政などにより上昇していくことが大前提になる。