問題を先送りする技術的負債

 さらに怖いのは認証と認可です。

 誰がアクセスできるのか、誰がデータを変更できるのか。その設計が曖昧なまま運用されているケースがしばしば見られます。

 システムが正常に動いている間は問題が見えませんが、事故が起きた瞬間に簡単には修復できない状況に陥る危険性があります。

 こうした状態は技術的負債と呼ばれます。

 いまはシステムが動いているものの、将来に向けて修正コストを先送りしている状態です。

 仕様変更や社内で人事異動が起きるたびに、このシステムは誰も触れないブラックボックスになります。

 結局、プロがゼロから書き直した方が早いという声が出ます。

 さらに深刻なのは、作成した本人すら中身を理解していないコードが、社内の業務に組み込まれてしまう危険性です。

 バイブコーディングは試作には向いていても、本番運用とは前提が違います。

 では生成AIは危険だから使うべきでないのでしょうか。そうではありません。

 むしろ今後、AIがコードを書く流れは止まらないでしょう。問題は使い方の設計です。

 これから価値が高まるのは、アーキテクチャー設計と要件定義ではないでしょうか。