戦況は好調との宣伝にかかわらず、大国としては衰退傾向

 毎年恒例の年末質疑応答でプーチン氏は「われわれの部隊がロシア西部クルスク地域から敵を追い出して以来、戦略的主導権は完全にロシア軍の手中にある。これは何を意味するか。われわれの部隊が接触線全体に沿って前進しているということだ」と胸を張ってみせた。

 前出のCSISは「戦況は好調との宣伝にもかかわらず、データはロシアがわずかな利益のために莫大な代償を払い、大国としては衰退傾向にある。データを詳しく見るとロシアはほとんど勝っていない。ロシアはますます衰退しつつあることが示唆される」と報告している。

 報告書によると、ロシア軍約120万人の戦死・負傷・行方不明者のうち死者は32万5000人。第二次大戦以降、いかなる戦争においても、これほどの犠牲者を出した大国はない。東部ドネツク州ポクロウシクでの平均前進速度は1日70メートルで、過去1世紀のどの作戦よりも遅い。

 ロシアの製造業は衰退し、消費者需要は弱まる。インフレ率は依然として高く、労働力不足に直面している。成長率は昨年0.6%に鈍化し、人工知能(AI)など主要技術で遅れをとる傾向がある。世界のテクノロジー企業時価総額トップ100にロシア企業はランクインしていない。