米中関係が良好でも、日中関係は波乱
——米国に頼れない状況の中で、日本にはどんな選択肢があるのでしょうか。
菅原:日本にとって、日米同盟と米国市場の重要性は今後も変わりません。その上で、経済面では「フレンドショアリング(Friend-shoring)」を軸に、同志国との連携を強めていくことが重要になります。
今年のダボス会議でカナダのカーニー首相も言及したように、中堅国が「ミドルパワー」の連携を深めて、日本が守ってきた民主主義や法の支配といった価値を共有する仲間づくりを進めていく必要があります。
訪中したカナダのカーニー首相(左)と習近平国家主席(右)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
——企業レベルでは、経営者は何を考えるべきでしょうか。
菅原:まず、「フレンドでない国」との経済関係は、今後ますます難しくなるという前提に立つ必要があります。関税や規制が突然強化される可能性が高く、懸念国に調達や市場を過度に依存している状況は非常にリスクが高い。調達先や市場の多様化を進め、自社のポートフォリオを点検することが欠かせません。
——レポートでは「小康の米中」「波乱の日中」という表現もありました。
菅原:2026年は、米中関係が全面対決に至る可能性は低いと見ています。トランプ大統領は中間選挙を強く意識しており、例えば中国がレアアースの輸出管理を厳しくしたり、米国産農作物の購入を停止したりするなど、有権者の生活に直結する分野で大きな混乱が起きることは避けたいはずです。そのため、昨秋の米中合意を踏まえ、中国と一定の関係を維持する必要があります。その結果、米中関係は「小康状態」にとどまる可能性が高いでしょう。
一方で、その分、中国は米国を気にせず日本に圧力をかけやすくなります。実際、デュアルユース(軍民両用)品目の輸出管理強化など、日中関係は波乱含みです。米中関係が良好な時ほど、日本にとっては厳しくなる・・・それが2026年の構図だと見ています。