中間選挙後もレームダック化しない?

——米国の中間選挙が終わった後は、どうなると見ていますか。

菅原:現状では、上院はなんとか共和党が多数を維持し、下院は民主党が過半数を取るという見方が多いです。いずれにしても議会運営は厳しい状況が続くでしょう。

 通常であれば、中間選挙で勢いを失った大統領は大抵レームダック化します。しかし、トランプ大統領の場合、その常識が当てはまるかは分かりません。議会を通さず大統領令で政策を進め、司法で争われても別の手段を探すような姿勢は今後も変わらないでしょう。

 さらに2期目の大統領として、何らかのレガシーを残したいという思いが強まれば、行動はむしろ大胆になる可能性すらあります。中間選挙後に不確実性が下がると考えるのは危険です。

——不確実性が高まる中、日本企業の対応状況はどう見ていますか。

菅原:数年前と比べると、企業の準備や感度は格段に上がっています。地政学や経済安全保障を自社の経営にどう落とし込むかという具体的な相談が増えました。専任組織を設けたり、リスク発生時のシナリオ分析を進めたりする企業も増えています。

 一方で、「法律が変わりそうだが、何をすればいいか分からない」という企業も少なくありません。政府も経済安保関連への取り組みを強化していますが、官民連携をさらに強め、企業自身が主体的に備えることが、これまで以上に重要になります。

 正直、今年に入って想像以上の出来事が起きています。「あれは序章にすぎなかった」と年末に振り返ることになるかもしれません。今年はこれからも覚悟を持って臨む必要があるでしょう。

(前編はこちら:【暴走トランプ時代の地政学(前編)】関税よりヤバイ「規制の武器化」、日本企業の生存戦略は?

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