「What・How・Do」で解き明かす成果の法則、指示待ち人間を過労に追い込まない条件
ただ、成果との時間連動性の高低は職種単位で決まるものではなく、一つの職種を構成しているタスクごとに性質が異なります。細かく分けるとキリがありませんが、大きく括ると3つに整理することができます。営業職を例にとりながら説明します。
まず、What(何を)を決めるタスク。どんなことに取り組むのかを定めるのは、仕事を遂行していく上での道しるべです。どれだけ頑張って努力しても、Whatが間違っていると仕事は成功しません。営業職であれば、どの顧客に訪問するかを定めるなどのタスクです。
次に、How(どのように)を考えること。達成が困難な目標ほど創意工夫が必要となるだけに、最適な方法・手段を選択できるかどうかが成否の鍵を握ります。営業職であれば、用いるツールやトーク展開などを練るといったタスクが該当します。
最後はDo(実行)です。WhatやHowを定めても、行動に移さなければ実現しません。営業職であれば、選定した顧客に電話などでコンタクトをとり、訪問し、練り上げた方法で商品を売り込んで初めて仕事は完了します。
これらWhatとHowとDoのどれか1つでも欠ければ、仕事はうまくいきません。ただ、WhatとHowも任せられる営業職は多くないかもしれません。営業所長が訪問先を決め、使用ツールなどはマーケティング部門などが決める場合、営業職が担当するタスクはDoの比率が高くなりそうです。
成果との時間連動性は、基本的にWhatやHowの要素が多いほど低くDoの要素が多いほど高くなります。
ただ、中には、WhatにもHowにもDoにも目いっぱい取り組まなければならないのに、時間連動性が低い仕事もあります。選挙戦がそうです。候補者が何をどう訴えるか考え抜き、各地を回って演説し、聴衆とたくさん握手を交わしても当選するとは限りません。
解散総選挙で、高市首相は労働時間など気にせず、睡眠時間を削って臨んだと思います。しかし、当選できなかった候補者たちの多くも、同じように労働時間など気にせず選挙に臨んでいたはずです。
自民党が圧勝したのは、高市首相が労働時間を気にせず働いたからではなく、内閣の高支持率や訴えた内容、選挙制度との相性など総合的な要因によるものだと思います。
ただ、選挙を戦う政治家は誰かから業務指示を受けるわけではなく、WhatやHowを自分で決められる裁量権があります。ところが、会社で働く社員だとそうはいきません。労働時間規制のあり方を考える際、そこもネックになります。