「推し活投票」が状況を悪化させる

 さらに事態を複雑にするのが、「推し活投票」の存在だ。これは、政策ではなく、政治家個人を応援すること自体に意味を感じる投票行動である。

 経済学者コリン・ジェニングス(2011年)は、有権者を次の3タイプに分けて分析した。

1. 情報を集めて合理的に判断する人
2. 「この人を応援したい」という気持ちで投票する人(推し活投票)
3. 「自分の一票では変わらない」と思い、なんとなく投票する人

 研究の結論はこうだ。

 有権者の中に「雰囲気」や「物語」に反応しやすい人が増えるほど、政治家は国民受けする政策に走りやすくなる。そして、真面目に良い政治をしようとする政治家でさえ、ポピュリストと見分けがつかない政策をとるようになる。

 政治不信、先行き不安、そして推し活投票。この3つが揃うと、ほとんどの党の政策が「国民受け狙い」になり、似通ってしまうのである。