金から金融市場全体にボラティリティーが波及か
ロイターも2月2日「『利下げによる景気刺激を図る一方、FRBの資産圧縮を実施するのは矛盾している』との疑問が市場で流れている」と報じている。
それ以上に心配なのは金融市場に与える悪影響だ。
モルガンスタンレーは1月30日付けのレポートで「ウォーシュ氏がFRB議長に就任すれば、米国債市場のボラティリティーが高まる可能性がある」と警告を発した。FRBの資産圧縮により米国債市場の流動性が減少するというのが根拠だ。
潤沢な流動性で米国金融市場が過熱しているとの懸念が出ている中、FRBの資産圧縮がバブル崩壊の引き金になってしまう可能性は十分にあるからだ。
このようにみてくると、ウォーシュ・ショックで暴落した金市場は「炭鉱のカナリア」なのではないかと思えてならない。トランプ氏がウォーシュ氏の指名に後悔するのも時間の問題だろう。
FRB次期議長が米国を始め世界の金融市場を動揺させないことを祈るばかりだ。
藤 和彦(ふじ・かずひこ)経済産業研究所コンサルティング・フェロー
1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。