繰り越し控除の申告をすると、まず、給与や年金などの所得に譲渡益(売却益)や配当を加えた後、前述の上場株式や特定公社債などの損失との損益通算をした合計所得金額を割り出す。そこから繰り越し控除をし、各種控除(配偶者控除など)を引いた課税所得金額から税額を計算する。

 つまり、合計所得金額とは繰り越し控除をする前の一時的に所得が増えた状態なのだが、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や配偶者控除・配偶者特別控除の所得要件は、この合計所得金額が基準となっている。

 人によっては、繰り越し控除の申告をしようとして、給与や年金などの所得に譲渡益(売却益)や配当を加えると、住宅ローン控除や配偶者控除が受けられなくなる可能性があるということだ。これらの控除を優先するのであれば、繰り越し控除の申告は見合わせた方がいいかもしれない。

金は保有期間が5年超なら譲渡所得が軽減

 ここ数年上場基調の金は2025年も騰勢が続き、年末にはプラチナや銀も“連れ高”となった。節目の国内金価格1g=2万円超えの際には一部を売却し利益を確定する動きもあり、金の確定申告も気になるところだろう。

 金の売却益は譲渡所得となり、特別控除50万円を超えた分が課税対象となる。会社員の場合は、2025年の利益から特別控除を引いた後の金額が20万円を超えていたら申告が必要だ。

 金の譲渡所得は保有期間が5年を超えると2分の1に軽減される※2が、総合課税で他の所得と合算して課税されるため、所得の多い人ほど適用税率が高くなる。

※2「譲渡価額-必要経費(取得価額+譲渡費用)-50万円」で算出。5年超の長期保有だと、この2分の1となる。

 純金積立を現金化した場合は一般に、保有期間は先に取得した分から順に売却していく先入先出方式で判断し、取得費は積立期間中の金の平均単価を用いる総平均法に準じる方法(有価証券の評価方法)で計算する。