損失を3年間持ち越せる「繰り越し控除」の注意点
複数の証券口座で取引をしている中で損切り(損失を抱えたまま保有している株式等を売却して損失を確定させること)をした口座があれば、申告して損益通算(利益と損失の相殺)をすることで利益を圧縮することができる。また、申告すれば上場株式や公募株式投信だけでなく、特定公社債等の売却損や償還損との損益通算も可能。仕組み債や外債なども損益通算の対象となる。
なお、2025年に多発したTOB(株式公開買い付け)に応じずに上場廃止後にスクイーズアウト(強制買い取り)で金銭交付を受けた場合は「非上場株式の譲渡」の扱いになり、上場株式や特定公社債などとの損益通算ができないので注意が必要だ。
損失を3年間持ち越せる「繰り越し控除」の制度を使って課税額を抑える方法もある。2025年に株式投資で儲けた人が2022~2024年に損失を出していたら、その分を2025年の利益から差し引くことができる。
ただし、繰り越し控除は、損失が発生した年から毎年続けて申告しておく必要がある。申告自体は5年前まで遡れるが、例えば特定口座(源泉徴収あり)の利用者が損失を出した年を対象にした確定申告で医療費控除など別の申告を行いながら繰り越し控除の申告はしていなかった場合、「本人の意思で繰り越し控除の申告をしなかった」と見なされ、繰り越し控除が認められないこともある。
また、繰り越し控除の申告には思わぬ“落とし穴”もあるので気を付けたい。ポイントとなるのが「合計所得金額」だ。