近年は街中に金の買い取りショップが増え、金価格が高騰する度に手持ちの指輪やネックレスなどのジュエリーを持ち込む人が見受けられる。こうしたジュエリーは所得税法の「生活用動産(家具、什器、衣服など生活に必要な不動産以外の物)」に当たり課税されないが、売却額が1点30万円を超えると課税対象となる。
FXや暗号資産で利益を得た場合
個人の投資対象としては、株式や投信、金などの貴金属ほか、FX(外国為替証拠金取引)も一般的だ。
2025年の税制改正では「年収の壁」見直しに伴い、所得税の課税最低限が大きく引き上げられた。早速この恩恵に授かれるのが、「ミセス・ワタナベ」こと専業主婦のFX投資家だ。
これまでは「48万円超」だった要申告となる利益のボーダーラインが一気に「95万円超」まで上がっている。親の扶養に入っている学生トレーダーも同様だ。ただし、所得税は申告不要でも自治体への住民税の申告は必要になる。
今回の申告で注意したいのは暗号資産だ。昨年末に発表された「令和8年度税制改正大綱」には、暗号資産取引で生じた利益が申告分離課税に変更され、税率は一律20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)となることが盛り込まれた。
しかし、2025年分の利益は従来通り雑所得扱いとなり、会社員や年金受給者は、暗号資産の利益を含めた雑所得が20万円を超えた場合は申告が必要。厄介なのはその際、副業ワーカーなら副業所得が年間20万円以下でも申告する必要が生じ、公的年金収入が400万円以下の人が対象の年金の申告不要制度も使えなくなることだ。暗号資産は他の所得と合算して税金を算出する総合課税のため、適用税率がアップして課税所得が大きく膨らんでしまうこともある。
暗号資産等取引は近年の国税庁の“注力分野”であり、令和6事務年度は前事務年度比14.6%増の613件の実地調査が行われ、追徴税額は1件につき745万円(同12.5%増)に上っている。2025年に暗号資産で大きな利益を出し課税関係が気になる人は、事前に税理士に相談しておくのが安心かもしれない。
投資で確実に利益を積み重ねていくには、課税関係も含めた投資全体のマネジメントが肝要となる。間もなく始まる確定申告では、本記事を参考に「適切な納税」と「賢い節税」をしてほしい。