公明票のうち「中道」に投じられる割合はどの程度か

 衆院解散時勢力で196議席の自民党は、ここからどれだけ伸ばせるかが焦点となる。2024年秋の前回衆院選は、党派閥による政治資金収支報告書の不記載事件(いわゆる裏金問題)の直後であり、大逆風だった。

 しかも、選挙期間中に、政治資金問題により非公認とした候補者に2000万円を支給していたとする報道がだめ押しとなり、地滑り的な大敗となった。つまり、今回は起点が低くなっている。

 今回も政治資金問題に対する批判は根強いが、前回のような真っただ中ではない。代わって最大の課題は、公明との選挙協力が解消されたことだ。

 公明票は1小選挙区当たり1万~2万票程度と見込まれる。従来は自民候補に投じられていたこの票が、今回は中道の候補に上積みされるのだ。

 仮に、この1万~2万票がそっくり移るとすると、単純計算では、自民は多くの小選挙区で議席を失う。しかし、老舗の組織政党である公明にしても、そこまで完璧にはできないというのが一般的な見方である。焦点は、公明票のうち、中道候補に投じられる割合がどの程度かということだ。

衆院が解散し、街頭演説で支持を訴える中道改革連合の斉藤共同代表=23日、東京都千代田区(写真:共同通信社)

 過去の種々の選挙の出口調査などから推論すれば、公明票のうち中道候補に乗せることができるのは5~6割、最大で7割程度が目安ではないだろうか。公明は小選挙区の前に、まず、比例区で「公明」ではなく「中道」と書くように支持者に浸透させねばならない。その上でさらに、小選挙区で新たに中道の候補者への投票を徹底するのは、一定の限界があると考えられる。

 もっとも、中道候補に投じられなかった公明票の残り3~5割が、従前どおり自民候補に入るというのも早計だ。一定は馴染みの自民候補に向かうであろうが、同一小選挙区の他党候補にも分散するはずだ。

 こうしたことから、中道結成の影響による自民、中道候補の票差の拡大は、数千票~1万票という場合が多いのではないだろうか。もっとも、公明票のボリュームが大きいとされる都市部では、これを超すケースは当然にあり得る。