中道は、理論上では政権奪取に手が届くはずだが…
これに対し、二つの党が合流した中道は、理論上は態勢も票も2馬力となり、政権奪還に手が届くはずである。しかし、これも、そう簡単に行きそうにはない。
新党設立の最大の眼目であった公明票の旧立憲候補への上積みは、先に述べたように、候補者によっては半分程度にとどまりかねない。そうすれば2馬力の威力は半減し、逆転できる小選挙区は減っていくことになる。
もちろん、旧立憲支持者についても、比例区だけでなく小選挙区でも中道という名前を浸透させなければならない。
また、見逃してはならないのは、共産党が中道の安全保障、原発政策を批判して、選挙協力を行わない方針を明確にしたことだ。これまで立憲は小選挙区で共産と候補者調整を行い、野党票の分散を回避するための協力を行ってきた。
しかし、共産は今回、小選挙区では中道の動向に関係なく擁立を推進しているケースが目立つ。共産票は1小選挙区当たり1万票程度と言われる。つまり、中道候補にとって、公明票が上乗せされても、一定程度の共産票が逃げることになる。
動画配信サイト「ニコニコ生放送」の党首討論会で、発言する共産党の田村智子委員長=24日、東京都中央区(代表撮影、写真:共同通信社)
また、中道の比例区名簿では、旧公明候補が上位に載せられる見通しとなっている。こうなると、旧立憲候補にとって比例復活の余地が少なくなる。名簿順位が「公明優遇」として、しこりとなる可能性は否定できない。
最近の政党支持率では、立憲は維新や国民民主とあまり変わらないケースが目立ち、停滞気味だ。公明も昨年の参院選で苦戦した。
選挙戦術としては、公明と、立憲を支持してきた連合が、それぞれの組織票を固めることを優先することになりそうだ。よって、投票率が上がることは、必ずしもプラスにならないと言える。
これまでは、野党にとって、投票率アップは有利であり、無党派層での支持拡大も与党より優勢というのが定説であった。だが、高市首相の大衆人気を踏まえれば、今回は、これらが逆になり得るのだ。
以上を踏まえれば、中道は解散時議席の168を大きく上回るのは難しそうだ。低迷した場合は、解散時勢力をかなり下回る可能性も否定できない。