格差拡大、組織との不調和……危惧が現実に

 そもそも自営型社員を普及させていくうえでは、不安や課題も少なくない。拙著ではとくに能力や意欲の格差が広がらないか、個人主導の働き方が組織と調和できるか、といった点を指摘した。今回の不祥事では、図らずもそれが現実の問題としてクローズアップされた。

 とくにプルデンシャル生命の場合、一般企業では見られない極端な業績連動型の報酬制度が取り入れられている。

 主に獲得した新規契約によって報酬が決まるフルコミッション制(完全歩合制)のもとでは、個人の能力や意欲によって報酬の格差が大きくなるのは避けがたい。同社が認めているように、それが金銭への関心が強い人を引きつけると同時に、報酬への過剰な執着を生みやすい。

 また、いくら自営業に近い働き方が認められているとはいえ、組織の一員であり、会社の看板を背負って仕事をしていることに変わりはない。自己責任原則が貫徹される自営業、自由業との違いだ。

 今回の不祥事では、個人の利益を追求した結果、会社の看板に泥を塗り、大きな損害を与えてしまったわけであり、個人と組織の利益が調和していなかったことになる。