「業界のモデル」となるような規範づくりを

 それと並行して、社員の自律性を尊重しながら、コンプライアンスを徹底することが求められる。

 少なくとも「生命保険のプロフェッショナル」を標榜するなら、プロにふさわしい倫理観を身につけさせなければならない。それには教育・研修や社内の意識改革だけでは限界があり、正しい行動を担保する制度の枠組みが欠かせない。しかもプロを名乗る以上、社内だけでなく社外でも通用する能力と行動基準を身につけさせることが必要だ。

 保険業界にはプルデンシャル生命と同じような働き方を取り入れている企業がほかにもあるし、今後それが業界に広がっていく可能性もある。だからこそ同社には、他社に先駆けて業界の指針となるような行動規範とチェック体制を構築してもらいたい。

 さまざまな業種で増加しつつある自営型社員の行く末を考えるうえで、プルデンシャル生命の不祥事が残した教訓は大きい。

 自営業の世界では、商道徳や職人の矜持など目先の利益より高い倫理観と仕事の質を優先する志や姿勢が重んじられてきた。社員といえども自分の名前と裁量で働く以上、評判はどこまでもついて回る。

 近江商人の哲学ではないが「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」こそが長期的な利益と社会的な尊敬の獲得につながることを、企業も社員も忘れてはいけない。