中国雲南省の切り花輸出額は前年比65%増に

 もともと中国産の輸入はキク類を中心に長い歴史がある。ただ最近は「品質が向上し、中国雲南産のカーネーションが彼岸やお盆の仏花用だけでなく、国産とコロンビア産が圧倒的だった母の日にも使われるようになった」(磯村会長)。

 中国政府が雲南省を花卉産地として育成し、オランダの温室技術なども取り入れ、競争力を高めたことが大きい。切り花の産地は赤道に近く、標高の高い場所が多い。中国南西部の雲南省も昆明がカーネーション、もう少し標高の高い麗江はバラなどの産地として急成長した。

 新華社は昨年12月、中国雲南省が世界の花卉市場で3大主要産地の一つであり、アジア最大の交易センターでもあると指摘した上で、1~11月の同省の切り花輸出額が前年同期比65%増の11億1000万元(1元=約22円)に上ったと伝えた。

 麗江市の農業企業、麗江啓沢農業発展はデジタルスマート生産管理システムを導入し、栽培した花の品質を向上させたという。海外顧客の反応も良好で、昨年はシンガポールや日本、ロシアなどの国や地域へ、バラの切り花約6万本を輸出したと報じられている。

 雲南省から出荷された花は陸路で上海に入り、そこから船で大阪に向かうものが多い。航空便に比べ日数がかかるが、輸送技術や品種改良で品質も上がってきている。

 花の産地として成長し、海外市場を開拓したのは南米やアフリカの産地も同じだ。だが、中国の場合は国内不況がのしかかり、余った切り花を輸出に回すようになった。「設備増強→内需低迷→安値輸出」といった構図は、世界中に「デフレ」をばらまく鉄鋼などの素材や太陽光パネルと似る。なだれ込む輸入品が直撃する国内産地はたまらない。