2025年度の卸値は前年比で平均10%ほど下落

 新型コロナウイルス禍から日常生活が戻ってきた2024年は相場も上昇し、入荷減も加わって卒業シーズンの3月には通常1本50〜80円ほど(卸値)のガーベラが軒並み100円くらいまで上がった。

 ところが、昨年3月は序盤こそ堅調だったものの、中旬以降にがくんと落ちた。大学の卒業式や謝恩会の多い時期なのに、である。クリスマスシーズンの12月と並ぶ需要期の3月に、相場が前年同月比で2割以上下がったというから、やはり異例の事態だ。

 磯村会長は「25年度の卸値は24年度に比較して平均10%ほど下落している」と話す。花の産地は九州や四国にも多い。しかし、相場が低迷しているので、物流2024年問題で上がった物流経費をかけてまで(東京の)大田市場まで運べず、関西止まりになるケースも増えた。

トラック運転手の残業規制により輸送力が不足し、物流が停滞すると懸念された問題

 相場変調の理由は2つある。

 一つはスーパーを中心に個人客の消費が落ちたことだ。24年夏から上がり始めたコメ価格の前年同月比上昇率(全国消費者物価、米類)は25年3月に90%を超えた。折からの食料インフレにコメ高騰が追い打ちをかけたことで消費者が財布の紐を締め、切り花などに手を出す余裕がなくなった。若い顧客が多い専門店より、ファミリー層が中心のスーパーでの売り上げ減が顕著なのは、こうした理由からである。

 対照的に高単価の花卉の売れ行きは堅調だ。「高級ホテルでは結婚式向けの需要も強い。レベルの高い商品を嗜好し、一般消費者向けとの二極化が目立つ」(磯村会長)。株高で潤う富裕層と、物価高がのしかかる一般消費者との明暗がフラワー市場の消費に映し出されている。

 もう一つの理由が中国からの輸入増だ。昨年3月には日本市場の品不足を見越した中国からのキクやカーネーション輸入が増え、ベトナムからの輸入と相まって地方市場から相場が崩れていった。