ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(写真:共同通信社)
このオフシーズンのメジャーリーグは、異様と言っていいほどの熱量に包まれている。ストーブリーグという言葉が形骸化するほど、話題は途切れず日を追うごとに刺激的なニュースが更新されていく。補強の規模、契約金額、そして顔触れ。そのすべてが、近年のMLBの枠を明らかに超えている。
象徴的なのが、ロサンゼルス・ドジャースだ。
シカゴ・カブスからフリーエージェント(FA)となっていたカイル・タッカーを4年2億4000万ドル(約380億円)で獲得。今冬のFA市場最も注目されていた大物外野手の補強によって大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンを中心としたLA打線は、もはや「強力」という形容を拒む領域に達した。
専門家の間では戦力分析よりも先に「どこまで勝てば成功なのか」という議論が始まっている。三連覇という言葉が、決して誇張ではなく現実的な目標として語られる現状こそ、今オフの異常性を物語っている。
過熱する補強合戦
東海岸でも動きは活発だ。タッカー獲得を逃したニューヨーク・メッツは、すぐさま別の大物へとシフトチェンジ。トロント・ブルージェイズからFAとなっていた内野手のボー・ビシェットを3年総額1億2600万ドル(約200億円)で補強し、再び市場での存在感を誇示した。潤沢な資金力を背景にスター選手を迷いなく引き寄せる姿勢は健在で、MLB内の勢力図はさらに鮮明になりつつある。
ストーブリーグも終盤に近づきつつある中、ドジャースとメッツというナ・リーグの二大都市球団が激しい補強合戦を繰り広げる構図は、MLBの注目度を一段押し上げる格好となっている。
そこに拍車をかけているのが、日本人選手の存在だ。大谷翔平はすでに競技の枠を超えたグローバルスターとなり、その一挙手一投足が世界的な関心を集めている。
加えて村上宗隆、岡本和真といったNPBを代表する打者がポスティングシステムを通じ、それぞれシカゴ・ホワイトソックス、ブルージェイズへ移籍。2人の日本人大砲が海を渡り、MLBは再び日本の野球ファンの視線を強く引き寄せた。
かつてない規模で日米の野球市場が活性化され、接点を生み出している。