国民民主の連立入りも進展の可能性
国民民主党の玉木雄一郎代表は昨年12月、中期的には自民党との連立を模索していることを明らかにした。これに対し、国民民主党の有力な支持団体である連合の芳野友子会長は1月5日の記者会見で、連立入りを容認しないと明言した。
国民民主党の玉木雄一郎代表(右)と連合の芳野友子会長(写真:共同通信社)
これまでも芳野氏は、連合の組織内議員が所属する立憲民主、国民民主両党の協力を重視し、自民党との連立に反対してきた。しかし、次期衆院選で自民党あるいは国民民主党が、争点の一つとして自国連立を訴えて勝利を収めれば、国民の審判を受けたこととなる。連合の異論を封じやすくなるのだ。
特に自民党にとって、国民民主党の与党入りは、参院でも与党過半数を回復できるという目先のメリットにとどまらない。国民民主党の支持基盤である民間労組の支援の取り込みは、自民党にとって組織力強化の観点からの悲願であった。そして、生前の安倍氏が精力的に取り組んでいたテーマだったのである。
また、国民民主党の連立入りが前進すれば、既に連立を組む日本維新の会へのけん制にもなる。懸案である衆院議員定数削減などを巡り、相対的に自民党の立場が優位になりやすくなる。
もっとも、解散の狙いは、以上のような何かを生み出すポジティブな側面ばかりではないはずだ。ご祝儀相場を過ぎれば、失政したり、スキャンダルが表面化したりして、内閣支持率が急落した例は枚挙にいとまがない。高市政権初の通常国会における本格論戦の前に、選挙を終えておきたいという思惑も見え隠れする。
実際、高市首相による台湾有事と存立危機事態を巡る昨年11月の国会答弁以降、日中は強い緊張関係に陥っている。自衛隊機へのレーダー照射、台湾近海での軍事演習、レアアースの輸出規制強化などが続く。
一方で頼みの米国は中国との融和傾向をうかがわせており、いよいよ日本外交の苦境が際立ってきかねない。
このほか、持続する物価高に加え、日銀の金利引き上げによる住宅ローン負担増など、国民生活への影響がより顕在化してきそうだ。
同時に、高市首相や政権を巡っては、政治資金や統一教会に関する疑惑報道が出始めている。
また、勝つためとはいえ、このタイミングでの解散は打算的過ぎるなどとして自民党内にも異論が出ている。例えば「国がどうなってもいいと言わんばかりのやり方であり、感心しない」(ベテラン議員)、「積極財政ばかり推進すれば、そのうち国が潰れかねない」(党四役経験者)などの声だ。