解散の大義名分は「責任ある積極財政」の是非か
衆院解散の大義名分は、高市首相の看板である「責任ある積極財政」の是非が取り沙汰される。財政再建より経済成長に比重を置くスタンスは、安倍氏が推進したアベノミクスと共通性がある。
財政再建と成長優先という両派は交わることのない「神学論争」で、深い溝が横たわってきた。このため、財政政策に民意のお墨付きを得ておくわけである。
そして、このイシューは、政策論争の範疇に収まらず、権力闘争の側面を孕む。実は、財政再建寄りと目される議員は、現状では党内非主流派に位置付けられていながら、実力、選挙の安定性は折り紙付きとされる人が目立つのだ。
例えば、林芳正、河野太郎、加藤勝信各氏ら過去の総裁選に出た顔ぶれのほか、船田元、浜田靖一、棚橋泰文、古川禎久、小野寺五典、井上信治、赤沢亮正、斎藤健、福田達夫各氏らが挙がる。サナエノミクスへの信任を得ることは、すなわち、強力な非主流派へのけん制という二重の意味を持つ。見逃してはならない点だ。
2024年自民党総裁選の共同記者会見を前に、記念写真に納まる(左から)高市経済安保相、小林前経済安保相、林官房長官、小泉元環境相、上川外相、加藤元官房長官、河野デジタル相、石破元幹事長、茂木幹事長=2024年09月13日(肩書は当時、写真:共同通信社)
さらに、狙いはそれだけにとどまらない。昨年末に急浮上してきた、国民民主党の連立与党入りという課題への対応である。