春の参詣もおすすめ
神嶽山神苑 八氣の泉 写真/コン太くん/PIXTA(ピクスタ)
ということで、春爛漫のころに2度目の寒川神社をしてみる。東京方面から電車で行くなら小田急線の海老名かJR茅ケ崎からJR相模線に乗り、宮山という小さな駅で降りて川沿いの道を数分歩くと三の鳥居がある。時間があるなら宮山駅の隣の寒川駅で降り、一の鳥居から参道を歩く方法もある。この神社は人気が高いため普段から参拝者が少なくないが、さすがに初詣ほどの人出ではないので、雰囲気を味わいながらゆっくりお参りしてみよう。
三の鳥居の手前には神池にかかる橋があり、これを渡るとまわりの空気が明らかに変わる。あたりは木々に囲まれ、静けさに満ちている。いよいよご神域に入らせていただいたのだと感じ、身が引き締まる思いがする。木立の中を歩いて行くと、お正月にねぶたが掲げられていた神門がある。これをくぐると境内が広がり、平成9年竣工の総桧造りのご社殿がある。八方除けのご祈祷を受ける場合は、この建物に入らせていただける。
お参り前に、ご由緒について簡単に説明しておこう。御祭神は寒川比古命 (さむかわひこのみこと)とその妻神の寒川比女命 (さむかわひめのみこと)。この二柱を合わせて 寒川大明神と称する。二柱とも古事記や日本書紀には登場しない、詳細不明の謎の神である。創建は雄略天皇の御代(5世紀後半)。少なくとも1600年の歴史を持っており、古くは朝廷、源頼朝、武田信玄などの武将からも崇敬されてきた。現在は八方除け祈願のために全国から参詣者がやって来る。昇殿参拝(ご祈祷を申し込むなどして社殿に上がってお参りする)の数は全国一という。
寒川神社 方位盤と渾天儀 写真/Ryuji/PIXTA(ピクスタ)
拝殿の手前右側には渾天儀(こんてんぎ)のレプリカがある。渾天儀とは古代ギリシャ時代から使われて来た天球儀で、中国でも独自に発達。暦の計算などにも用いられた。方位除けも暦が大切なので、このオブジェはこの神社の象徴的な存在だ。こちらの渾天儀の四方には龍が配置されているが、これは龍が天を支えるという故事にならったものという。
お参りを終えたら、いよいよ神嶽山神苑へ。立派なお屋敷のような外門をくぐると、苑内でも一番の聖地「難波の小池」がある。古来より本殿の裏側に位置しており、寒川神社の起源に深くかかわると伝わっている。続いて裏参拝所。鳥居の奥にある神嶽山を通して寒川大明神を裏から拝する場所である。
その先にある内門をくぐった瞬間、突然素晴らしい風景が広がる。池を中心とした回遊式庭園である。よい時期に当たれば、池のほとりの枝垂れ桜も見事だ。ぐるりと池の回りを歩くと和楽亭という茶屋がある。お抹茶とお菓子のご接待を受け、池を眺めながら一服。日本ならではの美しい時間を堪能できる。その背後には方徳資料館もあり、神社の歴史と八方除けについての資料が展示されているので、お見逃しなく。