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 スマートフォン市場が大きな転換点を迎えている。

 2025年の世界出荷台数は前年比1.5%増の12億5000万台に達し、中でも米アップルが過去最高の出荷実績を記録することが確実視されている。

 2011年以来、長らく韓国サムスン電子が守り続けてきた年間出荷台数首位の座が、14年ぶりに交代する見通しが鮮明となった。

 一方で、2026年には部材コストの高騰などにより市場が再び縮小に転じるとの予測も示されており、業界は「熱狂なき過去最高売上」の時代へと突入しつつある。

iPhone 17シリーズが牽引、中国で劇的回復

 米調査会社IDCのデータによると、2025年のアップルの出荷台数は前年比6.1%増の2億4740万台に達する見込み。

 これは「iPhone 13」シリーズが好調だった2021年の2億3600万台を上回る過去最高記録となる。

 成長を牽引した主因は、最大の市場である中国での復調だ。

 現地メーカーとの競争激化やAI機能への懸念から苦戦が伝えられていたが、秋に投入した「iPhone 17」シリーズへの需要が急拡大。10月、11月の中国市場におけるシェアは20%を超え、他社を大きく引き離した。

 これにより、中国市場におけるアップルの第4四半期(10~12月)成長予測は、当初の9%増から17%増へと大幅に上方修正されている。