Gemini3で作成したインフォグラフィック(筆者作成、以下同じ)
GPT-5.2で作成したもの
GPT-5.2の設計思想
GPT-5.2は、もともと思考や推論を言語で組み立てることを得意とするAIです。
インフォグラフィックを作る場合でも、まず何をどう説明すべきかを、文章として丁寧に整理します。
背景、因果関係、構造、結論を言葉で積み上げ、論理的に破綻のない説明を作ろうとするのです。
文章として読めば、納得感は高いでしょう。全体像を理解するための材料としても優れています。
しかし、この文章中心の思考が、そのままインフォグラフィック生成に持ち込まれるところに問題が生じる可能性があるのです。
GPT-5.2は、最終的に画像を作る段階で、日本語の文章を「描く対象」として扱います。
文字は意味を持つ言語から、ピクセルの集合へと変換されます。この時、日本語特有の画数の多さや字形の複雑さが、そのまま弱点になります。
結果として起きるのが、文字としては存在しているが、日本語としては読みづらい状態です。
文字化けに近い崩れ方をしたり、意味は追えるものの読む気が失せる配置になったりします。どんなに内容が優れていても、この時点で実務資料としては使えません。
つまりGPT-5.2のインフォグラフィックは、思考の可視化には向いていますが、日本語の完成品資料にはなりにくい構造を持っていると言えそうです。
これは能力不足ではありません。GPT-5.2が考えるAIとして設計されていることの、裏返しです。