コンサルタントと資料作成担当の違い

 ここで重要なのは、この差がすぐに埋まるかどうかという点です。答えは簡単ではありません。

 なぜなら、これはモデル性能の差ではなく、プロダクト定義の差だからです。

 GPT-5.2は、思考から表現へ進みます。Gemini3は、成果物から構成を逆算するのです。

 GPT-5.2がどれだけ賢くなっても、文字を描く前提を変えない限り、日本語インフォグラフィックの問題は残り続ける可能性があります。

 経営の言葉に置き換えると、こう整理できるでしょう。

 GPT-5.2は優秀な戦略コンサルタントです。Gemini3は優秀な資料作成担当です。

 インフォグラフィックという用途では、考える力より、完成させる力が求められる場面が多いでしょう。

 日本語が正しく読めることは、その最低条件です。その条件を安定して満たしているという理由で、現場ではGemini3が評価されます。

 まとめると、GPT-5.2とGemini3の違いは、性能差ではありません。思想の違いです。

 日本語が文字として崩れにくい設計を重視するかどうか、その差がインフォグラフィックの評価を分けています。

 どれほど優れた内容でも、読めなければ存在しないのと同じです。

 この当たり前の前提に立ったとき、両者の違いは対立ではなく、役割の違いとして理解できるのではないでしょうか。