全国高校駅伝の“勝利のセオリー”
全国高校駅伝で4度の栄冠に輝いてきた佐久長聖は、どのように冬の都大路を制してきたのか。高見澤監督は“勝利のセオリー”をこう語る。
「勝つには、まずは『エース』を育てることが大切です。そして、そのエースが1区を走ることが理想的かなと思っています。変に色気を出したりすると、良い結果にならないことが多いです。3区と4区に関しては同じ8km区間ですが、3区は上り、4区は下り基調のコースになります。そのため3区は1区と同じぐらい重視しますね。基本的には上りが得意な選手を3区、下りが得意な選手を4区に配置します。ただ4区に関しては力のある選手を置くイメージが強いです。単に下りが得意だからという理由だけで4区には起用できません」
高校駅伝は去年から留学生が3km区間(2区、5区)に限定されたことで、2区の重要度も上がっている。しかし、高見澤監督は6区を“勝負区間”ととらえている。
「私が監督になって初めて勝った2017年は当時1年生だった鈴木芽吹が6区で大逆転してくれました。日本高校最高記録で優勝した2023年は5区の佐々木哲が区間新の快走で大差をつけてくれましたが、6区の吉岡斗真も区間賞でした。そこで完全に勝負が決まったと思っています。昨年も6区の岸端悠友が区間賞の走りをしました。どのチームもそうですが、長距離区間から強い選手をはめていくと、5区、6区は手薄になってきます。その区間でいかに力のある選手を投入できるのか。特に6区はコースも上って下るので、そこで差がつくんです」