今年の「紅白」の見どころは?
さて、そうした中、今年の「紅白」に対してNHKはどんな“調査・戦略・作戦”を講じているのでしょうか。以下、筆者なりにその“見どころ”を挙げてみたいと思います。
①キンプリ再結成?
さる11月14日に今年の「紅白」の出場アーティスト37組が発表されました。その中でネットをざわつかせたのが、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属歌手の3年ぶりの出場です。名を連ねたのはSixToNESとKing&Prince(永瀬廉と高橋海人の2人組)。しかも同時にNumber_i(平野紫燿、岸優太、神宮寺勇太の3人組)の2年連続出場も発表。
ご存知の通り、Number_iの3人は2023年5月まではKing&Princeとして活動していたわけですから、ひょっとして一時的な「キンプリ」の再結成が観られるかもと、ファンが色めき出すのも致し方ないところ。これもNHKの“戦略”なのでは?
②朝ドラ演出
今年の出場アーティストをみてみると、RADWIMPSが2019年以来6年ぶり2度目、そしてハンバートハンバートが初出場を果たしています。この両アーティストに共通しているのが「朝ドラ」ことNHK連続テレビ小説の主題歌を担当したこと。
RADWIMPSが今年4~9月まで放送していた『あんぱん』の主題歌「賜物」、ハンバートハンバートが現在放送中の『ばけばけ』主題歌「笑ったり転んだり」を提供しています。
去年のB’zも2024年10月~今年3月まで放送の『おむすび』の主題歌「イルミネーション」を提供していたことによる“特別出演”で、司会を務めていた主演の橋本環奈との“共演”が観られました。
今年も司会の一人に『あんぱん』主演の今田美桜がいますし、『ばけばけ』主演の高石あかり、トミー・バストウなどの登場も予想されます。「朝ドラ」というNHK屈指の人気コンテンツを最大限に活用した“演出”に期待する方も多いでしょうね。
③秋元康’s Children
過去40年近くにわたって、おニャン子倶楽部、AKB48グループ、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の“坂道シリーズ”など、大人数女性アイドルグループのプロデュースで世を席巻してきた秋元康。乃木坂46は11年連続の出場を果たしたものの、櫻坂46は落選、日向坂46も復活出場は成りませんでした。
その一方で、一昔前までは絶対的女王として君臨していたAKB48が6年ぶりに復活出場。しかも彼女たちの全盛期を支えた前田敦子や大島優子、指原莉乃などのOG8人が現役メンバーと共にステージに立つこととなりました。これにより、かつて公式ライバルだったAKB48と乃木坂46が6年ぶりに同時出場。しかも往年の人気メンバー込みですから、これはある種、夢の競演となりますね。
さらに今年初出場を果たす2つの女性アイドルグループ、CANDY TUNEとFRUITS ZIPPER。どちらも元アイドルの木村ミサ(むすびズムというアイドルグループのリーダーでした)がプロデューサーを務めていますが、そのメンバーの中にも“秋元康’s Children”がいます。CANDY TUNEの村川緋杏とFRUITS ZIPPERの月足天音はいずれもAKB48グループの一つ、HKT48の元メンバーでした。
というわけで、先日の福岡での刺傷事件に心を痛めているHKT48のファンにとっても夢の競演実現です。やはり秋元康の40年はダテじゃないですなぁ。