④東アジア融和重視?

 昨年はTWICE、LE SSERAFIM、ILLIT、TOMORROW×TOGETHERと4組の韓国発のグループが出場。数が多かっただけに賛否もあったためか、今年はILLIT以外は落選。しかし今年も同様の傾向が見て取れます。

 初出場組の中でaespaは韓国の4人組女性グループ(韓国人2人に日本人と中国人が1人ずつ)、ちゃんみなは日韓のハーフ(彼女の夫は韓国人ラッパーのASH ISLAND)、そのちゃんみなプロデュースのオーディションで選ばれたHANAも7人組女性グループでメンバー構成は日本人6人に韓国人1人、&TEAM(エンティームと読みます)は9人組の男性グループで日本人7人に台湾出身と韓国人が1人ずつという構成。近年の若者を中心とするK-POP人気などを反映しての選抜でしょうが、ここにはNHKの詳細なマーケティング調査による“勝算”がありそうです。

⑤隠し玉

 毎年“特別企画”などの名称で、大物アーティストの出演が追加で発表される「紅白」。現時点では、白組で玉置浩二米津玄師が、大ベテランの堺正章に、氷川きよし星野源が“特別企画枠”で出場することが発表されていますが、これだけでは収まらないでしょう。

 ネットではサザンオールスターズ、小田和正、そして来年春に解散を発表している嵐(嵐側はやんわりと否定しているようですが・・・)などの出場に期待の声が上がっています。果たしてサプライズ的な“隠し玉”はあるのでしょうか?

⑥石川さゆりの歌唱楽曲

 最後にオマケ的な“見どころ”を。今年の出場者の中で最多となる48回目の「紅白」となる石川さゆり。彼女は2007年に「津軽海峡・冬景色」、翌年に「天城越え」を披露して以降、2023年まで隔年で交互にこの代表曲2曲を歌唱してきました。

 ところが昨年は、年明け早々の能登半島地震に心を寄せ、これまた代表曲の「能登半島」を2003年以来2度目の選曲。17年続いた“津軽-天城ライン”を崩したんですね。元のラインに戻るとすれば、今年は「天城越え」となるはず、もしくは先日の青森の地震に寄り添い「津軽海峡・冬景色」なのか、果たして・・・。

 今年、第76回NHK紅白歌合戦のテーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」。今年も“調査・戦略・作戦”が実り、昨年以上の押し戻しがあるのか・・・注目です。

※文中敬称略