NHK放送局 写真/yamahide/PIXTA(ピクスタ)
(小林偉:放送作家・大学講師)
「紅白」は不要なのか?
ここ数年、ネットを中心に“不要論”が飛び交っているNHK紅白歌合戦。家族揃ってテレビを視聴するという“お茶の間”が死語となって久しい上、若者層のテレビ離れが年々進行、また音楽のマーケティングが高度に展開されるようになった現代では、子どもからお年寄りまで、あらゆる年代に認知される“ヒット曲”というものが存在しないため、大晦日4時間半にわたって“皆様の聴取料”を使い放送される「紅白」は“不要”という意見にも納得すべき点があるのも否めません。
それでも、昨年の「紅白」の世帯平均視聴率(関東地区)は、19時20分から始まる第1部が29.0%、21時から始まる第2部が32.7%。1部は前年と全く同じ数字でしたが、第2部はB’zの初出場などの話題もあって、前年より0.8ポイントUP。退潮傾向を僅かながら押し戻してみせました。
いまどき、世帯視聴率が30%前後の番組というもの自体がスポーツ中継以外には見当たらないわけですから・・・まだまだ岩盤支持層が多数存在している番組なのではと、筆者は思っております。