衆院解散の可能性は2026年春もしくは2026年夏か?
【衆院解散を急ぐか遅らせるか】
高市首相にとって、衆院解散・総選挙を急ぎたい理由と遅らせたい理由の両方が存在する。
まず、急ぎたい理由としては、内閣支持率が高いうちに総選挙に臨みたいという点が挙げられる。自民党の政党支持率は伸び悩んでいるものの、国政選挙においては時の政権の信任・不信任がテーマとなりやすく、内閣支持率の影響を大きく受ける。
また、主要野党の候補擁立が整わないうちに総選挙に臨みたいという点も挙げられる。国民民主党や参政党などは、自民党と支持層が重複しており、時間が経つほど小選挙区の擁立が進みやすい。
一方、遅らせたい理由としては、予算や重要法案の成立など政権としての実績を残してから総選挙に臨みたいという点が挙げられる。また、政権継続の関門となる2027年秋の自民党総裁選に近いタイミングで総選挙に臨みたいという点もある。総選挙に勝利できれば、自民党総裁選を有利に戦える(無投票で再選の可能性もある)。
【衆院解散のタイミング】
衆院解散は原則として国会会期中に実施されるため、その候補となるタイミングは絞られてくる。具体的なタイミングとしては、①2026年初(通常国会・冒頭)、②2026年春(当初予算成立後)、③2026年夏(通常国会・会期末)、④2026年秋(臨時国会期中)、⑤2027年夏(通常国会・会期末)が挙げられる。
急ぎたい理由と遅らせたい理由を両立させるタイミングとしては、②2026年春もしくは③2026年夏となるのではないか。「責任ある積極財政」を反映した当初予算を成立させた上で、高市首相は政権の信を問う可能性が高いと考える。
予算および予算関連法案の成立に向けた交渉次第では、予算成立後に主要野党が求める重要法案を審議・成立させる必要が生じ得る。その場合は通常国会・会期末の衆院解散、夏の総選挙となろう。 なお、①2026年初の通常国会・冒頭解散の可能性は現時点で低いと考えるものの、その有無は国会召集が早め(1月前半)に設定されるか否かがヒントになろう。
