スウェーデンのイメージとは異なる姿が…
生徒が指摘するように、彼らにとってこのメッセージは「平和、愛、喜びを広める」人道的な連帯の表明であり、政治性を意図したスローガンではない。
これは単なる学校内での意見対立を超えた、教育現場における民主主義の根幹に関わる深刻な問題提起ではないのか。高校という教育環境において、このような検閲が行われることは、将来の民主社会を担う若い芽を育むという学校の役割を、根本から損なうことにならないのだろうか。
スウェーデンといえば、政治への参加意識が高い国民がいて、高水準の男女共同参画が定着しており、移民に対しても社会が開かれている、といったイメージがあるかもしれない。そんな「成熟した民主主義国」像は、残念ながらもはや幻想になってしまったようだ。