豊臣秀長(提供:momo_pinc/イメージマート)
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 今年も残すところあと1カ月強となり、来年(2026年)1月4日からスタートするNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』への期待が高まりつつある。主演は仲野太賀で、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長を演じる。群雄割拠する戦国時代で、全国統一を果たした豊臣秀吉。その偉業を支えたのが、弟の秀長である。秀吉と同じく貧しい出自から武士に転身し、戦国の世で活躍した秀長。果たしてどんな人生を送ったのか、その働きぶりを解説する。

(*)本稿は『戦国最高のNo.2 豊臣秀長の人生と絆』(真山知幸著/日本能率協会マネジメントセンター)の一部を抜粋・再編集したものです。

【誕生】型破りな兄・秀吉の弟として貧しい家に生まれる

 豊臣秀長は天文9(1540)年、あるいは天文10(1541)年に生まれたとされている。

 兄の秀吉と同じく、母はのちに「大政所」と呼ばれることになる「なか(俗名)」だが、秀長の父親についてははっきりしていない。秀吉と同じ木下弥右衛門の子か、それとも、弥右衛門の死後になかが再婚したとされる竹阿弥(筑阿弥)の子か。

 秀長の父を「竹阿弥」とする従来の説のほか、近年は秀長も秀吉と同じく木下弥右衛門の実子であるという説もある。その場合は姉のとも、兄の秀吉、秀長、妹の朝日は、すべて同父の兄弟姉妹であることになる。