米金融大手のゴールドマン・サックスが「バーガーキング」の日本事業買収を発表した(写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)
バーガーキングの国内運営会社ビーケージャパンホールディングス(BKJHD)が、香港系ファンドからゴールドマン・サックスへ譲渡されることが分かった。直火焼きパティや大型商品「ワッパー」への支持、比較広告やアプリ施策を背景に、バーガーキングの店舗数は2025年11月末で約310店に拡大。競合各社も出店攻勢を強める中、大株主の交代を機にファストフード業界の勢力図はどう動くのか。経済ジャーナリストの河野圭祐氏がレポートする。
第3グループから抜け出したバーガーキング
ファストフードチェーンの店舗数ランクは、1位のマクドナルドが約3000店、2位のモスバーガーと3位のケンタッキーフライドチキン(以下KFC)の第2グループが拮抗して約1300店。4位以下が上位3チェーンに大きく水を開けられている構図は、コンビニのセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3社に店舗と認知が集中している状況とも重なる。
そうした中で、ジワジワと順位を上げているファストフードチェーンがバーガーキングだ。
さかのぼると2022年4月時点での店舗数は、4位ロッテリア、5位フレッシュネスバーガー、6位サブウェイ、7位バーガーキングという順だったが、1年後の23年4月にはバーガーキングが5位まで浮上。24~25年にかけてさらに出店ペースを加速させ、25年10月末には300店を突破。現在は約310店(25年11月末時点)まで増え、ロッテリア(25年10月末で162店)やフレッシュネスバーガー(同155店)らの第3グループと競う状況からは抜け出してきている。
とはいえ首位のマクドナルドはもちろん、モスバーガーやKFCと比べても、まだまだ店舗数の開きは大きい。
ハンバーガー業界首位のマクドナルド(写真:共同通信社)
ただし、割り引いて考えなければいけない点もある。マクドナルド、モスバーガー、KFC、ロッテリアはいずれも1970~72年の間に日本で1号店が誕生しているのに対し、サブウェイ、フレッシュネスバーガー、バーガーキングの1号店開業は91~93年と、先行チェーンに対して20年余り遅れている。スタートラインの違いを考えれば、店舗数に大きな差があるのは無理からぬところもある。
加えてバーガーキングの場合、ここまでの歩みは紆余曲折の連続だった。