シャブで堕落した母、一方で娘は…

──昔は、ヤクザから助けてもらって人生が変わったなんて話は、よくありましたね。

「それほど自慢できる話じゃないですが、彼女の娘に関しては、いいことをしたなって思えます。母親の方は、その後、建設関係の会社をやっていた社長に囲われて、シャブの味を覚えてしまい堕落していきました。

 娘さんは道を間違わずに成長して、米軍基地で働くようになったんです。就職が決まった時、事務所に挨拶に来てくれて、基地で売っているプレミアもののお菓子などを差し入れてくれました。人助けの良さに気づけた瞬間でもありました」

*****

 過去のヤクザによる管理売春に関して、筆者は様々な事例を見聞きしてきた。もちろん、この女ヤクザ・西村まこさんが語ってくれた事例のように、たとえ、本人が自発的に売春したとしても、現代社会では容認されるものではない。

 コロナ禍頃から問題になったトクリュウの犯罪、若年女性の「搾取」を目的に、「騙して」、「売春」を強要している現状は、国連で「人身取引議定書」に定義された人身取引に該当する(2005年6月、国会において締結承認。人身取引行為を犯罪とすることを締約国に義務付ける等規定)。

 政府広報オンラインには、以下のような警告が掲載されている。

「18歳未満の児童の場合は、性的搾取、労働搾取、臓器摘出の目的で支配下に置いたり、引き渡したりすれば、金銭の授受や暴力、脅迫、詐欺などの手段が用いられない場合でも、『人身取引』とみなされます。これらの行為は、刑法の略取・誘拐罪や人身売買罪、児童福祉法違反の罪などの犯罪に該当することとなります」

 SNSが発達した現代、パパ活などによる安易な接触から人身売買の被害者になる可能性が否めない。青少年は、特に気を付けていただきたい。