2024年に人身取引被害者保護66人だが、人身売買罪の検挙件数はゼロ
法務委員会所属の藤原規眞委員による質問(今年11月19日、法務委員会)は、「人身取引罪」で摘発されることが稀である点に言及している。
「人身売買罪が実際に機能しているのかという点につき、伺おうと思います。例えば、平成27年から令和5年までの間、人身売買罪の検挙件数としてはゼロ件なんですね。この数字を見て、刑法226条の2『人身売買罪』、これは有効に機能していると考えますか。
実際に、日本国内において、人身売買はこの9年間、発生していないということはないはずですが、いかがでしょうか」
この質問に対する政府参考人の答弁は、次の通りである。
「警察といたしましては、人身取引事犯の取締りに当たりまして、刑事事件と立件できるものがあれば、刑法も含めたあらゆる法令を駆使して適切
に対応しておるところ」であるという。
しかしながら、近年、歌舞伎町の街角の売買春問題を想起しても、人身売買罪に該当する犯罪が、ゼロ件ということは無いはずである。
藤原委員は続けて「例えば、政府発表で、日本国内の人身取引の被害者として保護された人は、令和6年だけで66人に及んでいます。その前の年、令和5年も61人です。にもかかわらず、なぜか人身売買罪による検挙はゼロ件、人身売買罪が機能していない」と追及した。
しかし、人身売買罪による検挙が為されていない理由につき、政府からの明確な答弁は得られていない。