AIは淘汰の時代へ、2026年の注目セクターは?
中野:2026年の日本株を展望するうえで、注目セクターはありますか。
篠田:難しいところですが、私は昨年ぐらいから、半導体や生成AI関連をむしろ避けた方がいいという話をしてきました。過熱したテーマはうまくいけば良いですが、竜巻のような状況に飲み込まれるリスクもあります。今はむしろ内需関連など、自分の生活に結びつく分野を冷静に見極めるタイミングかなと考えています。
中野:エヌビディアなど半導体銘柄が牽引するAIブームも、今後は勝ち負けがはっきりしてくるでしょう。AIが社会に普及しても、必ずしも企業が収益を上げられるわけではありません。
私たちの日常生活は、スーパーでの買い物や帰宅後のビールといった、当たり前の営みに支えられています。そうした身近なビジネスに注目したほうが、むしろ将来の有望な投資先になるのではないでしょうか。
篠田:まさに今のうちにそうしたテーマに着目しておくことが重要だと思います。私も何気ない生活の中で「これはAIが普及しても残るだろう」という視点で脳トレしています。こうした「妄想」がきっと、投資テーマにもつながるのだと思います。
中野:AIで社会が変わる中、我々は変化を柔軟に受け入れる力が必要です。一方で、AIや電子化が進んでも、紙の教科書やレコードへの回帰なども一部で起きています。2026年は大きな調整局面になるかもしれませんが、それは長期投資家にとっては胆力を鍛える良い機会。これからも一緒に長期投資を楽しんでいきましょう。
篠田:中野さんと同じく私が一貫して伝えたいのは「投資はもっと自由でよいし、楽しんでいい」ということです。NISAやiDeCoといった枠組みはあっても、その中で自分なりのスタイルで運用することが大切です。
長期投資の道のりでは、必ず困難もあります。それでも楽しみながら投資を続ければ、相場の上げ下げや勝ち負けに一喜一憂しなくなるはずです。皆さんも、2025年という大きく動いた年を振り返りつつ、2026年に向けてぜひ、色々と「妄想」しながら自分に合った投資スタイルを考えてみてください。