「気候変動はAIが解決する」と夢語るビッグテックのCEO、現実は“炭素まみれ”

 現在、世界中がAIブームで沸騰している。AIの利点や将来生まれる可能性がある技術的解決策が語られ、OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はAIが気候変動を解決するバラ色の夢を語る。しかしAIの現実は炭素にまみれている。

 シェールガス・石炭火力による発電、水資源への負荷、環境正義への影響のコストは破壊的だ。データセンターの電力消費は世界の限られた地域に集中している。米国はデータセンターによる最大の電力消費国であり、中国、欧州、アジアのその他地域がそれに続く。

 スー氏は「データセンターに対するガードレール(制御策)が必要。各国がNDCにデータセンターによる排出量を明記するべきだ」と公益テスト、再エネ100%の義務化、追加の電力需要は住民ではなく企業負担、国際的規制の必要性を提案する。

「AIブームの暴走を止める最後のチャンスだ。その無制限な拡大を前提としてはならない。制御が必要だ」とスー氏は釘を刺す。環境団体グリーン・スクリーン・コアリションのローリー・リー氏は「AIは規模こそ進歩という前提を拒否し、議論する権利がある」と訴える。