世界のデータセンター電力消費の45%を占める米国
昨年時点で世界のデータセンター電力消費の45%を米国が占める。米国だけで415テラワット時中187テラワット時を使用。30年には全米電力の12%がデータセンター向けになると国際エネルギー機関(IEA)は推計する。
典型的なAIデータセンターは10万世帯分、最大級の新設センターだとその20倍の電力、200万世帯分の電力を消費する。IEAのシナリオでは35年の米国データセンター電力のうち42%がガス火力、AI急拡大なら45%に増える。シェールガスがほぼ主力電源になる。
2035年の米国データセンター電力のうち42~45%がガス火力(『データ・クランチ』より抜粋)
35年までにデータセンター排出量は2〜3倍に膨れ上がる。35年の最大値3億5200万トン(二酸化炭素換算)はイタリアの23年排出量に匹敵。バイデン前米政権の35年NDCによると電力部門に許される排出量は8億400万トンで、データセンターの排出量が最大44%を占める。
スー氏によると、インディアナ、カリフォルニア、アリゾナ、バージニア各州の住民はガス火力発電所建設とそれに紐づくデータセンター建設の阻止に成功している。「気候の問題は国対国の対立ではない。人々と地球が巨大企業とそれを支える政治家に対抗する闘いだ」という。