元奴隷プランテーションに建てられるデータセンター
「データセンターとビッグテックはAIブームで結びつきを強め、AIデータセンターを化石燃料産業の新しい生命線として利用している。私たちはこの現象を警戒しなければならない。データセンターは米国の気候目標を根本から損なっている」(スー氏)
「AIを気候危機の“テクノ楽観主義的な解決策”と見る人もいる。気候危機を解決する方法は明らかだ。化石燃料を段階的に廃止することだ。そのためにAIは必要ない」とスー氏は断言する。ルイジアナ州出身の気候活動家コレット・ピション・バトル氏もこう語る。
「データセンターを語る際には米国史と環境人種差別の流れを理解する必要がある。奴隷プランテーションがあった場所に石油精製施設が建ち、同じ地域に水素ハブが置かれ、今データセンターが建てられる。黒人、先住民、貧困層の地域だからだ」
「データセンターの立地はゾーニングというより人種・格差の構造そのもの。平等と権力の問題であり、命の価値の問題だ。データセンターの水・電力消費だけではなく、どの都市のどのコミュニティーが犠牲にされているのかを見なければならない」