アプリ側にある無限の空き地
技術者目線の話もしておきます。
AIインフラ側の開発に携わるには、正直なところ、かなり狭き門です。博士号レベルの数学・機械学習の素養、大規模分散システムの経験、そして何百億円単位の計算資源を扱う組織。
これらをすべて揃えた世界で戦いたいなら、OpenAIやグーグル、ディープマインド(DeepMind)、アンソロピック(Anthropic)のような企業に転職するのが一番早いでしょう。
もしそこに届かないのであれば、潔くアプリケーション側に全振りした方が、はるかに幸せになれます。
小さな特化型モデルを粘り強くチューニングしている時間があるなら、生成AIの「ChatGPT」や「Claude」などの基盤モデルを最大限に呼び出し、ユーザーが本当に喜ぶ体験を設計する。
どちらが世の中の変化を加速するかと言えば、私は圧倒的に後者だと思います。
そして、ここが重要なポイントですが、アプリケーション側には「無限の空き地」があります。
医療、介護、教育、地方行政、農業、製造現場、中小企業の経理、家事、趣味、遊び・・・。
生成AIを使って何かを作れる人はまだ少数派であり、大半の人は「ただ便利に使いたいだけ」です。
そこにこそ、次の「ユーチューブ」や「LINE」に相当するAIアプリが生まれる余地があります。
経営層の皆さんに、最後に3つだけ提案をまとめておきます。