叔父・JFKジュニアのイメージ彷彿

 シュロスバーグ氏の出馬に、「ケネディ家というブランドを背にしつつ、実務キャリア・学位を着実に積む民主党内の新世代のホープ」(主要メディアの政治ジャーナリスト)と持ち上げる声が上がっている。

 一方で、「政治経験は皆無。ブランドと名前だけで選挙には勝てない」(地元メディアのコメンテーター)といった厳しい指摘もある。

Jack Schlossberg - Wikipedia

Jack Schlossberg for New York (jackfornewyork.com)

 シュロスバーグ氏の公式キャンペーンのウエブサイトには、シュロスバーグ氏が、黒いスーツに後ろ向きにかぶった帽子、そしてバックパックを背負い、マンハッタンの街を自転車で走る姿が掲載されている。

 この写真は、操縦していた飛行機の墜落事故で1999年、38歳で亡くなった叔父のジョン・F・ケネディ・ジュニアの写真と驚くほど似ている。

 ジュニアは、街中を自転車で走ることでも有名だった。自転車に乗る際、ズボンの裾をまくり上げ、チェーンを腰に巻くことで知られていた。

 シュロスバーグは同じ格好で自転車に乗っているのだ。

Jack Schlossberg blatantly ripping off JFK Jr. with his new political campaign

 ケネディ家の象徴性を活用しつつ、ジョン・F・ケネディ・ジュニア に似たスタイルをすることで、ケネディ家に対するノスタルジアやブランド価値を選挙キャンペーンに取り込んでいる。

 若いケネディの血を受け継ぐ「新しいケネディ像」として、自分自身のアイデンティティを強化しているようにも見える。

 もっとも、「スタイルに頼りすぎて、中身が弱い」との批判も一部にあり、「イメージ先行型キャンペーン」とも見られている。

 政治ストラテジストのハンク・シェインコフ氏はこう述べている。

「シュロスバーグ氏の選挙活動は馬鹿げている。実績もない男が、本来の自分ではない何かに見せかけようとしている。明らかに馬鹿げている」

Jack Schlossberg is ripping off JFK Jr. in new campaign (nypost.com)

 だが、シュロスバーグ氏には馬の耳に念仏。

 シュロスバーグ氏は、過去1年間に75万1000人のインスタグラムのフォロワーに向けて投稿してきたSNSの最新版にこの写真を掲載している。

「地球上で最も偉大な都市、ニューヨークの市民の声はワシントンに明確に届けられるべきだ」

「私が下院議員に立候補するのは、その声をワシントンに明確に届ける、決して屈しない代表が必要だからだ」